予測する

最近書店にダン・ケネディの本が3つ並んでいる。
「究極のセールスレター」
「究極のマーケティングプラン」
「大金持ちをランチに誘え」
同じタイミングで3冊出たので平積みされていれば目に付くし、そのうち2冊は神田さんの監訳になっているので、手にとって見た方や実際に買われた方も多いのではないかと思う。かく言う自分も買ってみた。

上の二冊は、それぞれ「Ultimate Sales Letter」「Ultimate Sales Plan」としてアメリカで大大ベストセラー。自分もそうとは知らずAMAZONに勧められるがままに買ってみていたが、英語で挫折して本棚に肥やしになっていた。日本人の僕が、知らないうちに買ってしまっているような本と言えば、そのすごさがわかってもらえると思う。

神田さんが二冊ともうまく「監訳者まえがき」を書いているので、いまさら感もあったが読んでみたら、どれも手強い本だった。うん、正直あなどれない。最近は、ダイレクトレスポンスマーケティングの良書が出ていなかったので、このような本が翻訳されたことは、神田さんをはじめJay Abrahamの「ハイパワーマーケティング」などを読んで、ダイレクトレスポンスマーケティングを学ばれてきた方には、是非今までの自分のマーケティングを振り返る意味でも読んでもらいたい本だし、小さい会社でマーケティングを担当している方や経営者の方で部下にマーケティングを学ばせたいと考えている方には、是非この本を使われることをお勧めする。特に「究極のセールスレター」は、DMを書く人だけでなく、WEBを使って集客をしたい人、チラシを打ちたい人、雑誌に広告を出したい人など、どんな媒体でも普遍的に使えるダイレクトレスポンスマーケティングのエッセンスが学べる良書だと思う。

究極のセールスレター シンプルだけど、一生役に立つ!お客様の心をわしづかみにするためのバイブル

究極のセールスレター シンプルだけど、一生役に立つ!お客様の心をわしづかみにするためのバイブル

さて、この本が売れてもお金を一円ももらえるわけではないので宣伝はこの辺にして、この本から学んだことをひとつ。これは、セールスレターを書くときの『公式』として紹介されていた、「予測する」ということだ。
「予測」は読むものを強く引きつける。
さっきから、神田、神田うるさいけど、神田昌典氏もマーケティング的ノウハウの提供と経営者への将来のビジョンの描き方を示すことによってあれだけのプレゼンスを高めたわけだし、昨年の大ベストセラーの梅田望夫氏の「ウェブ進化論」もシリコンバレーでの変化とそれが今後10年でどのように世界に影響を及ぼすかその世界観を我々に提示してくれた。自分の知らない世界で起こっている変化ではあるが、その一端を自分の生活の中で感じることができるだけに、そのリアリティに人々はその予測を信じ強く興奮したのだ。世界的に売れた「フラット化する世界」も「富の未来」も鋭い予測を読者に提供して、強力なリーダーシップで読者を筆者の考える未来へ引っ張っていった。つまり予測とは、読者に対してのリーダーシップなのだ。

ノストラダムスでもあるまいし、予測なんかできるかと言いたくなるだろうが、予測はそれ程難しいものだろうか。ドラッカーのような次世代にインパクトを与えるような予測を立てる必要はない。自分がいる業界が今後どうなるか。自分のお客さんたちがどのような予測を必要としているか。そんなお客さんの疑問に答えてあげればいいのである。お客さんの最大の関心事について予想をする。

八百屋さんであれば、今年はどこの野菜がおいしいか
車屋さんなら、次世代燃料が自動車産業に及ぼすインパク
不動産やさんなら、誰がどこの土地を売買しているかからどのような場所の土地が上がるか、などなど
業界にいると当たり前だと思っていることが、一般の人には意外と目からウロコのような情報は沢山ある。それをしかるべきタイミングでお客さんに伝えてあげることで、会社は顧客に対して強いリーダーシップを持つことができるようになる。予測しよう、そしてそれを大きな声でお客さんに伝えていこう。


最後にピーター・ドラッカーの言葉から
未来を予測する最善の方法は、未来を創り出すことだ

とりあえず、今月の「バイリンガルへの道」(キャタルのニュースレター)では、「英語と若者の今後」的なテーマで一つ書いて見ます。