設立5周年

昨日はキャタルの創立5周年の日だった。
この日は奇しくも2年前まで僕が直接英語を教えていた高校1年生のシュウト君の誕生日でもあるのだが、「今日はシュウトの誕生日だよ」って誰かに言われるまで2月5日が設立記念日だということを忘れてしまう。5周年記念とはたいそうな感じがするが、まぁ普通の一日として終わっていった。

とは言え、5年も会社をやっていると色々ある訳で、「今の感想は?」と聞かれると(誰も聞いてくれないけど)、「自分自身が色々な人に成長の機会をもらって生かされてきたなぁ」という思いが一番強い気がする。よく、経営者は友達が少ないとか言われるけど、会社を始めてから友達が増えた気がする。もしかしたら、こっちが一方的に友達だと思っているのかも知れないが、とにかく一緒に仕事をしたり、同じ悩みを分かち合ったりと、多くの人と深くお付き合いをさせてもらっている。

ただ、小中学生の頃のそれとは違うことは、僕が呼ぶところの友情には「expectation」が多かれ少なかれ伴うことだ。お互いに対する期待にこたえていくことによって、関係が深まっていくということを何度となく経験した。このような、関係の築き方を僕はfairだと考えている。

最近読んだ「ウェブ人間論」の中で、平野啓一郎氏は『アイツと付き合うとこんないいことがある、オレと付き合うことでこういう得がある、だから友達でいようという「有益性」が前提とされている友人関係というのは、個人的にはちょっとカンベンしてほしいいきがしますね』(p53)と語っている。言い方の問題はあるが、個人的にはそうは思わない。Give & Take が前提にあるというのも案外フェアであると感じている。また、それと同時にGiveすることによってTakeできるなんてこともよくある。Give & Take、功利主義など色々と言い方はあるが、相手からの期待にこたえることによっていい人間関係を築いたり、逆にこちら側からの期待にこたえてくれることによって、さらにいい関係を築きたいと思ったりするものだ。

とにかく、この5年間でビジネスが生活の中心になってしまったことは否めないし、友人関係もビジネスが中心になってしまっている。しかし、自分としては「それのなにがいけないの?」と思っているし、ビジネスを一緒にやってきた仲間はいわば戦友のような連帯感さえも持っている(と思っている)。これは、会社の中だけに限ったことではなく、外の人とでもよく感じるものである。
また最近読んだ本の話になってしまうが、「成功はゴミ箱の中に」というレイ・クロック自伝の中に「仕事とは、その人の人生にとってハンバーガーの肉のような存在である。『仕事ばかりして遊ばなければ人間だめになる』という格言があるが、私はこれには同意しない。なぜなら私にとっては、仕事が遊びそのものだからだ」という文があった。自分の場合は、仕事以外の遊びは必要ないとまではいえないが、仕事こそが人生最大の遊びだとは思っている。
これからも、仕事という最高の遊びを通じて、沢山の友人を作っていきたい。