マーケティング的人間関係

私にはマーケティングの師匠が二人いる。その二人とは、神田昌典さんとジェイ・エイブラハム氏だ。
どうでもいい話だが、神田さんはジェイの考えを日本に持ってきたとか言われているが、たぶん違うだろう。そもそも、ダイレクトレスポンスマーケティングは、ジェイを待たずしてワンダーマンにより確立されていたものであるし、そもそも人間としてのタイプが全然違う。

そんな話は本当にどうでもいいのだが、この二人が人間関係について面白いことを言っていたので、紹介したい。

神田昌典さん「起業してから何年かは友人に年賀状は書きませんでしたが、その代わり彼らにDMは出していました」
ジェイ「お客さんとのコンタクト全てをセールスの機会だと思え」

この人たちを単なる売り込みの強い人だと思わないで欲しい。マーケティングとはそもそも売り込み術ではない。自分が愛している商品やビジネスをいかに世に広めるか、そしてそれを広めて多くの人にbenefitを提供するかがマーケティングである。彼らは、これがすごくうまいので誤解されてしまうのだろう。

この二人の言葉から何を学び何を実践できるだろうか?お客様への請求書にDMを入れる、見込み客へのクリスマスカードには無料のOFFERを入れる、電話がかかってきたら紹介をお願いする…上げたら切がない。これが売り込みなのか、マーケティングなのかは受け手の問題ではなく、出し手の問題なのかも知れない。


ジェイの言葉の中で面白いものをもう1つ「一度できた人間関係は崩すな」。
これは、マーケティングの極意だと思っている。『Tipping Point(邦題:なぜあの商品は急に売れだしたのか)』に【弱い絆パラドックス】と言う概念が紹介されている。本書によると、社会学的ではそれほど濃密ではない人間関係のことを<弱い絆>と呼んでいるらしい。その弱い絆こそがビジネスなどでは使えると言うことだ。
例を出してみよう。皆さんに親友がいるとする。皆さんの親友と皆さんはほとんどの交友関係を共有しているのではないだろうか?逆に、それほどの濃密ではない友達の交友関係はほとんど未知の世界だ。
確かに、知り合いの交友関係に入り込んでいくのは楽しい。また、そんなところだからこそ、自分のビジネスを助けてくれる人が現れたり、一緒にビジネスができる仲間ができたりもする。
マーケティングのために、友達を作っているわけではないが、せっかく知り合った人との「縁」が切れてしまうのはあまりにももったいない。


またバレンタインの話になってしまうのだが、トレンダーズの経沢香保子さんから最近素晴らしいギフトを頂戴した。彼女は、大学のサークルの先輩なのだが、最近ひょんなことから再会し、できれば一緒に仕事をしたいと勝手に思っている。下の写真が頂戴したギフトの台紙なのだが、その中央においしいチョコレートがビニールに入って貼ってあった。(チョコは、もう食べた)そのチョコレートを取ると、素敵なメッセージが出てくるという仕組みだ。これこそがマーケティングの有るべき姿だとうならされた。