本を読みながら仕事をしよう

先日社員を引き連れて本屋に行った。15人近くでわらわらと本屋に行ったので、光景としては異様なものだっただろう。なぜ、そんなことをしたかと言うと、皆に本を読んでほしかったからである。その日は、全体ミーティングの日だったのだが、全体ミーティング終了後渋谷のブックファーストに直行。約40冊の本を買って帰ってきた。
実は前日に本屋に行ってみんなに読んでもらいたい本を探していたのだが、ふとこんなことをしてみんなは自発的に本を読んでくれるようになるのか不安になった。自分自身振り返ってみると、何度も本屋に足を運び、くだらない本を幾冊も買い、たまに良書にめぐり合い、また次はハズレを引くということを繰り返していくうちに、いい本に出合えるようになり本を習慣的に読むようになったからだ。人から与えられた本を読んでそこから学びを得るより、自分で選んだ本を読んだ方が学びが大きいと考えた。じゃあ、みんなで本屋に行こうということになり、その日のイベントは決行された。サービスに就くメンバーだったので、サービス業に関する本が多くなるかと思いきや、コミュニケーション論やマーケティング論、「ビジョナリーピープル」やら稲盛さんの「生き方」にいたるまで様々な本が選ばれていた。皆が読んでくれてフィードバックをしてくれることが楽しみだ。

我々は小さな会社で働いている。小さな会社は資源が十分でない分、一人ひとりが最大限努力して最高のOUTPUTを残さなければならない。また、自分が仕事の上で必要となる知識や考え方を先輩などから教えてもらうことも難しい。研修制度も整っていなければ、日々の仕事に忙殺されて自分に何が必要かを見落としてしまうこともあるだろう。だからこそ、本を読んでほしい。学んで欲しい。営業マンが営業の本を読みながら、仕事をしてもいいと思う。リーダーがマネージメントの本を読みながら、行動を変化させてもいいと思う。以前のブログで、人も会社も成長するために存在すると書いたことがあるが、自分が今の仕事を通じてどのように成長したいのかを考え、そのために必要な知識を得ることに対しては貪欲になって欲しい。

全二十篇におよぶ『論語』は、その第一篇「学而篇」で冒頭にこう記す。
子のたまわく、学びて時に之を習う、また説ばしからずや。
学んだことを日々実践していくと学んだものが全て自分のものになるとは、まさに知行合一ということだろう。

渋沢栄一「論語」の読み方

渋沢栄一「論語」の読み方