cdsが悪者か

朝まで生テレビを見ていて腹が立ってきたのでエントリー

Credit Default Swap俗に言うCDSが悪者のように扱われているので、はっきり言いたい。経済評論家の森永卓郎なんかは、いんちきとまで言い放っているがそもそもこの商品が出てきたときに誰が企業のリスクを外したがっていたかというと、当時BIS規制で悲鳴を上げていた日本の金融機関だったことは完全に無視されている。日本の金融機関はCDSを使ってリスクを外すことで、BIS規制をクリアし貸付を行い、過去10年間の日本経済を引っ張ってきたことは間違いない。その事実を無視して、いんちき呼ばわりしている森永とやらは経済評論家と名乗っていいのか疑問だ。

また、ドリームインキュベーターの堀氏も、この商品を作った人間が悪いといっているが、それも市場の原理からしていかがな発言かと思う。しかも毒団子を作った人間と、食った人間どちらが悪いかは明らかだと言っていたが、それとこれとは議論が違う。リスク判断をしたのは投資家自身であり、自己責任の論理を完全に無視している。また、デリバティブスが簿外で行われているから、何が起こっているかは投資家にはわからないといっているが、金融資産は全て時価で評価され、簿外のデリバティブスも有価証券報告書に記載されている。こんな基礎的なことは知らないわけがないが、それを無視して公共の電波で投資銀行だけを槍玉に挙げるのもどうかと思う。

市場という生き物がどのように動くかは、CDSを作った人間には確かに予想不可能だったであろう。では、その人が悪いのだろうか。売った投資銀行だけが悪いのだろうか。原因思考ではなく結果思考をいかに持つかが問われている。しかも迅速に。