ミスチル on クリスマスイブ

ミスチルのコンサートin東京ドーム。行ってきました。

ジャック-アタリの著書『21世紀の未来』に、「21世紀の人類は益々スポーツに熱狂し音楽は宗教となる」とありますが、7万4千人を歌声で熱狂させ、心を振るわせ一つにさせるカリスマは、“神”を感じるといっても言い過ぎではない気がします。歌を通じてメッセージを伝える。死の淵から戻ってきた桜井さんだからこそ持ちえる力なのかも、と素直に受け入れて帰ってきました。


映像、音響、演出、コンサートとしての完成度も抜群で、出てくる前から鳥肌もの。メンバーが出てきた瞬間、一緒に行った石黒と僕はドン泣き。アリーナの後ろのほうの席は、全然前が見えないし、周りはカップルだらけだし、しまいにゃ皆んないちゃつき始めたけど、そんな試練も完全に吹き飛ぶほど生音を聞く臨場感は、他では味わえないな。


コンサートからビジネスについていくつか学びが。

まず一つ目は、コンテンツフォルダーしか生き残れない時代になってきたなと。新曲の「Fanfare」と「365日」は、着うたのみでのリリース。つまり、モノとしてCDは出回っていない。コンテンツを持つミスチルが、仲介するレコード業者を介さずにダイレクトに消費者に音楽を届ける。コンテンツを持たないレコード会社は、このモデルではすでに生き残る道がない。CDが売れないといわれる時代、アーティストのビジネスモデルも変容している。ライブにどれだけ集客ができるかが、コンテンツフォルダーであるアーティストの生命線になる。チケット代だけでも恐ろい売上だが、それに続くグッズ販売、チケット入手が難しいアーティストはここでファンクラブへも導入できる。ライブに来たファン達にCRMが導入できれば、更に楽曲のリリースコストは低下するので、楽曲からの利益率も向上する。強力なコンテンツを持つ者のみ、クリエイティブなビジネスモデルを描ける。


また、コンテンツ力とだけ有っても開花しないアーティストがいるが、それはプロデュース力の違いだろう。今回強く感じたのは、小林武志氏のプロデュース力の壮大さと、緻密な積み上げ。7万人以上をクリスマスイブにドームに集めて、ミスチルに愛を歌わせる。想像するのは容易だが、そのための綿密な計画を想像すると、もはやプロデュースとは、ビジネスの戦略を描きそれを構築することだと感じる。ブログやtwitterなど様々なメディアがより個人のものへと移行してきている現在、個人でも大資本に匹敵するプロデュース力を持ちえる時代になってきた。逆に言うと、いかに自分のビジネスをプロデュースするかが、誰にでも求められている。大きな絵を描くだけでなく、それを緻密に構築すること。


クリスマスイブの夜、ミスチルにでっかい勉強をさせてもらった。


関ちゃんと

石黒と大野と