超人哲学者の超訳

のっけからどうでもいい話から入るが、僕は立ち小便用の便器以外では座って用をたす。座るたびその何秒間に手持ち無沙汰を感じるので、自宅では漫画やらエッセイやらを置いて時間つぶしができるようにしておく。まじめな名言系の本も置いておいたりする。読み切りだから、短時間で強制的に深い思考に引っ張ってくれる。

最近は「超訳ニーテェの言葉」を愛用している。流行り始めた頃から「これはいいな」と思っていたけど、実際に使ってやっぱりいいと思う。言葉が研ぎすまされている。人間の生活にとことんこだわった人の言葉だからこそ、とことん分かりやすくそれでいて重い。ニーチェは「超人哲学」とか「神を捨てた哲学者」などと言われていたので、その言葉の響きと顔の厳つさ(「いかつい」ってこう書くんだね)から難しい文を書くのかと思っていたがそんなことはない。超訳だからかな。とても読みやすく、トイレにはもってこいだ。最近気になった言葉を二つ紹介。


勝利に偶然はない
勝利した者はもれなく、偶然などと言う者を信じていない。たとえ彼が、謙遜の気持ちから偶然性を口にするにしてもだ。「悦ばしき知恵」


少しも悔いのない生き方を
今この人生を、もう一度そっくりそのままくり返してもかまわないという生き方をしてみよ。「ツァラトゥストラはかく語りき

しっかりと受け止められる重さだから読むてがすすみ、ついつい長居をしてしまう。