21世紀の歴史

ジャックアタリの「21世紀の歴史」を何年か振りに読み返してみようと思い手に取ってみました。冒頭の冒頭に「21世紀、はたして日本は生き残れるか?」という題で、日本への提言をしています。当時はまだ今程までに日本の凋落が明確になかっっていなかった時期ですが、ここまでに至った原因を見事に言い当てています。そして、2008年8月出版当時に彼によって提起された日本の課題は以下の10点です。

1. 中国からベトナムにかけての東アジア地域に、調和を重視した環境を作り出すこと。
2. 日本国内に共同体意識を呼び戻すこと。
3. 自由な独創性を育成すること。
4. 巨大な港湾や金融市場を整備すること。
5. 日本企業の収益性を大幅に改善すること。
6. 労働市場の柔軟性をうながすこと。
7. 人口の高齢化を補うために移民を受け入れること。
8. 市民に対しての新しい知識を公平に授けること。
9. 未来のテクノロジーをさらに習得していくこと。
10. 地政学的思考を念入りに構築し、必要となる同盟関係を構築すること。

。。。



どれも出来ていないどころか、取り組めてさえいないです。
不甲斐ない外交、政治的分断、魅力のないマーケット、法人税率も下げられないしかといって財政が健全化に向かっている訳でもない。そして、最大の問題は国が未来を担う若い世代の教育に真剣に向き合っていないことです。マスコミによって優先順位がゆがめられているように感じます。

国の進むべき方向を国民が真剣に考える時です。今度の都知事選が、一つのチャンスになると思っています。注目です。

21世紀の歴史――未来の人類から見た世界

21世紀の歴史――未来の人類から見た世界